《MUMEI》

―クソッ、面倒くせー!!


内心瀧は焦っていた。
元凶は目の前、一般人二人、しかも片方は何やら曰くあり、だが等の本人はと言うとー


「スゴーイ、中野くんも超パワーの持ち主なわけ?」

等と質問してくる。


「そーだよ!違法だけどな!!」


そう言いながら瀧は携帯で連絡を取る。


「佐伯!緊急だ、SCと接触した、逃げねぇように壁に沿って遮断してくれ!!」


『了解です、中に支援は?』


「今は要らねぇ、場合によっちゃ一度泳がせて夜にやる!」


そう伝えて電話を切る。


「ぎゃあぁぁー!!」


後ろから上がった悲鳴に歯噛みしながら振り返る。


「何?あれ…」


綾乃の視線の先には姿を表しつつあるSCがいた―

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