《MUMEI》 顕現尻餅をつき、恐怖に顔をひきつらせるヤンキー君の前には、先程とは別人のような中野くん。 優越感に満ち、狂喜する顔は常人とは思い難い。 「あれ〜、中野くんてあんな子だったっけ?もっとおとなしくて―」 「正気じゃねえに決まってんだろーが!!」 瀧の言葉が終わらない内に、それまで曖昧だった形が光と共に出現した。 美しい女性だが下半身は翡翠の魚鱗に覆われ、腕には水掻きと羽が着いている。緑碧の髪からは魚の尾ひれのような耳が見える。 「マーメイド…じゃねぇな、カテゴリーBセイレーンか。」 素早く相手を把握し、この状況での最善策を考える。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |