《MUMEI》 隠し通路を進んで行く 暗闇に足音が響き、微かに獣臭さが漂ってくる… 僕は、震える膝を無視して歩いていく 気にしたところで、どうなるものでもないからだ 「…どうじゃ?何か感じるか?」 僕の少し前を歩いているゴローさんの声が、壁に反響して聞こえてくる 「…いえ、まったく。少し、獣臭いぐらいです」 「ククッ…上出来じゃ。才があるものは、霊感が未熟でも、五感がそれを補ってくれる」 「…じゃあ、この臭いって妖怪の…」 「…うーん、正確に言うと違うんじゃがな。詳しい事は、後々な」 霊感というのは、ごちゃごちゃしていて難しいようだ… 前へ |次へ |
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