《MUMEI》 妖怪一歩一歩踏み締める度に獣臭が強くなっていく 臭いのせいで涙が溢れ、鳴咽が止まらない… 苦しい 「…ほれ、ヨイチ。これを持っておけ」 ゴローさんが、僕の右手に何かを握らせた 「…これは?」 小さな球体… 暗くて、よく見えないが ツルツルしている 「水晶じゃ。安物だが、この程度の妖気なら防げるわい」 「…妖気?…あッ!」 鳴咽が止まった 涙も… 臭いも…? さっきまでの悪臭が嘘のようだ… 「ゴローさん…これって一体!?」 「悪臭の原因は、奴の妖気。…そして、それから身を守ろうと警告を鳴らすオマエの嗅覚…」 「…つまり、この臭いは…僕の嗅覚が…」 前へ |次へ |
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