《MUMEI》 「最近のお前、どうかしてるぜ。」 木村は掃き捨てるように言う。 「黙ってりゃいいのかよ。 練習も一人でしやがって。 そりゃあ颯馬はすげぇよ? だけど今回のは無いんじゃねぇか?」 ここまで捲し立てて、 一気に息を吸う。 そして再び口を開いた。 「この際だからはっきり言わせてもらうぜ。 俺、今のお前大っ嫌いだ。」 すると木村を追いかけて来た岡部が口を開く。 「木村の言うことも一理ある。 俺も今の颯馬は好きじゃねぇな。 自分勝手で独り善がり。 前はもうちょっと周りに気に掛けてたろ?」 フォローを入れるつもりで笑顔で言ったつもりらしいが、 返ってそれが俺を余計に苛立たせた。 「だからなんだ?」 今までとは違う、 かなり低くドスの効いた声が出る。 前へ |次へ |
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