《MUMEI》

(こんなに大きなもの、くるみちゃんの部屋のどこに置こうかな…)

部屋の真ん中には天井から吊ってあるブランコがあるし、壁際にはタンスがあるし、部屋の端にあるぬいぐるみとか色々入ってるカゴを移動すればいいかな…。

とか色々と考えていたら、ツリーの下にはすでにその大きなドールハウスキャッスルがセッティングされていた。

「ツリーの下に置いてるって言うよりは、横に並んでるカンジですね」
「今回のプレゼントは大きいものばかりだな」

そう言うと克哉さんはまた大きな箱をツリーの横に置いていた。

「何なんですかそれ?」
「中身はまだ空だ、後で届いたら入れるよ」
「そうですか…」

コレが克哉さんの言ってた僕へのプレゼントなのか…。

…大きいもの…大きいもの。

どう考えてもあまり思い浮かばない。

もしかしたら僕も家具っぽい物かもかな。

僕がキッチンを見て「何も無いなぁ…」とか言ってたからかな。

一人暮らし用の冷蔵庫ぐらいの大きさだけど、今使っている冷蔵庫の中身は隙間があるくらい空いているから、違うかもなぁ。


「克哉ぁ〜♪///」

突然聞こえてきた声にハッとして振り返ると、トリスタンさんが克哉さんの背中に抱きついて甘えていた。

「降りろ、何してるんだ!」
「やだぁ〜だって久しぶりなんだもォ〜ん♪」

前にもああいう事があったけど、僕も前ほどは動揺しなくなった。

「アキラ、違うからな///」
「分かってます、僕は大丈夫ですよ」

そんな幼なじみ二人のじゃれ合いを眺めながら夕飯の準備をしていると、そろそろくるみちゃんをお迎えに行く時間になっていた。

「克哉さん、僕お迎えに行ってきますね」
「あっ、アキラ…ちょっと時間を稼いできてくれないか」
「時間を?」

克哉さんは、準備があるからくるみちゃんを足止めしておいて欲しいという事だった。

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