《MUMEI》
策略
〜・*・〜・*・〜〜・*・〜・*・〜〜・*・〜・*・〜


前半が終わって、休憩時間。


俺はベンチに座り、
物凄い速さでボトルのスポーツドリンクをガブ飲みしていた。


そこへ後頭部にヒヤリとした感覚を覚える。


「おいおい、あまり飲み過ぎんなよ。」


倉木先輩が自分のボトルを、
俺の頭に軽くぶつけたのだ。


先輩は苦笑しながら、
頭にアイスバックを当てる。


俺は振り向いて先輩を見上げた。


「頭、まだ痛みますか?」


「ん…ちょっとな。」


だけど大丈夫だから、
そう言うように片手で掌をヒラヒラさせる。


「気をつけてくださいよ。

奴等、何考えてるか分かんないすから。」


先輩の隣りで腰を下ろし、
耳打ちした。


他のメンバーに知られる訳にはいかない。


「分かっている。

さっきの接触も、奴等の策略だろう。

……俺を消すための。」

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