《MUMEI》 「……!? …知ってたんすか?」 「薄々な。」 「じゃあ此所に来たのは……。」 嫌な汗が浮かぶ。 「そうだ。 奴等から逃げるため。 まあ、高いスキルを学ぶのも、 あながち嘘では無いけどな。」 またも苦笑し、 アイスバックを頭部に当てる先輩。 苦笑い…と言うより、 顔が引きつっていると言う方がいいかもしれない。 それほど先輩の表現は苦々しかった。 「なんで奴等は先輩を恨むんや?」 つい言葉に出てしまい、 慌てて口を塞いだ。 それを見た先輩は、 目を細め、俺の頭に手を置いた。 「俺にも何がなんだか分からないよ。 急に豹変したんだ。」 前へ |次へ |
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