《MUMEI》

柔らかな光を放ちな
がら、ゆっくりと花
弁が開いていく。

そして完全に開きき
った花の中心に膝を
抱えて踞る人影。

真珠色に光り輝く、
その影がユラリと立
ち上がり空中を滑る
様に歩き夢視の元へ
舞い降りる。


『お帰り…白。』

自分の背丈を遥かに
超え、手足、肩幅等
逞しく成長した白を
夢視は両手を伸ばし
抱きしめた。

可愛く幼かった顔立
ちは、大人の色香を
漂わせる精悍な美形
になり、オリーブグ
リーンの髪色は、真
珠色に輝く白色に変
わっていた。

白は静かに微笑みを
浮かべる。

『ただいま。』

そう言って目の前の
愛しいヒトを抱きし
め返した。

…あぁ、やっと手に
入れる事が出来た。
アナタを包み込める
身体とアナタを護れ
る強さを。


ヒューマノイドフラワー、白の
誕生である。

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