《MUMEI》
誓い
白は、夢視から身体
を離し、夢視の前に
跪就き左手を取りそ
の薬指にキスを一つ
落とす。

『は、白?』

突然の行為に夢視は
焦る。

薬指から唇を離し、
自分を見上げる白の
眼差しから目を逸ら
せずにいた。

『誓いのキスです』

『誓い?』

『はい、生涯アナタ
の傍でアナタを護り
抜く事を僕は誓いま
す。』

白の言葉に夢視は少
し顔を曇らせる。

『それは、従者とし
て?それとも…って
…うわっ!白?』

白が、左手を強引に
引き寄せると夢視は
バランスを崩して白
の前に座り込む。

『勿論、恋人として
です。……朱里様』

ニッコリと笑う白に
夢視も笑い返す。

『白、様は要らない
よ。今日から私は、
普通の人、朱里にな
ったんだから…』

夢視は、白の左手を
取ると白がしたよう
に薬指にキスを落と
した。

『私も誓いのキスを
君に…、生涯君と共
に生きる事を…そし
て君を愛する事を誓
うよ、白。』

夢視、改め朱里の潤
んだ碧い瞳が白を見
つめる。

『…っ、朱里!』

白は、目の前の愛し
いヒトを抱きしめて
キスを始める。朱里
も優しくキスを受け
入れるのだった。

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