《MUMEI》
足りない席
俺の席、…どこだ?


「お前はここだ」

「ふざけるな」


何で会長の膝に座らなきゃいけねーんだよ


そして、神澤


お前も、膝を叩くな


「「早く座りなよー」」


だから、まともな席がねーんだよ!


つーか、皐月も席が、というか、椅子があるのに、何で俺だけねーんだよ


補佐が一人増えたっていっても


生徒会顧問の黒崎先生が座る席が空いてるはずだろー?


「失礼します。仕事は終りましたか?」


首を傾げていると、タイミング良く、黒崎先生が登場した


「どうしました? 高橋君」

「席が無いんです」

「あぁ…」


黒崎先生はチラッと皐月を見た


そして


「一人分追加するの忘れてました。

明日には、用意させますね」

「ありがとうございます」

「チッ」


…会長の、舌打ちと


残念そうな、神澤の顔は


無視する事にした


「そういえば、先生の席は無いんですか?」

「私はたまに来て会長や副会長、書記の様子を確認するだけなので。

仕事は、職員室でやりますし」

「そうなんですか」

「えぇ。でも、この機会についでに作ってもらうのもいいかも知れませんね」

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