《MUMEI》

俺としたことが!


すぐさま体制を立て直し、
安藤を追いかけた。


安藤はもはや独走状態。


軽やかに敵を掻い潜り、
ロングシュートを放つ。


観客席からは落胆にも感嘆にも近い溜め息が漏れた。


頼む!


何とか止めてくれ!


ボールは勢いを増して、
右ポストギリギリのコースを行く。


止めてくれ!


味方の誰もがそう願った。





















ガン!!


ボールは激しい金属音と共に跳ね返った。


助かった…。


安堵の溜め息がそこら中から脇出す。


ボールは右のポストに当たり、
跳ね返されたのだ。


キーパーは予想と反して全く別の方向に体を向けていた。


まさに運が良かっただけのことなのである。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫