《MUMEI》

『夢視様、白を少し
貸して頂けますか?
ヒューマノイドフラワーのデー
ターを録りたいので
すが?』

ユウリの問いに、頷
く朱里。

『あ、ユウリ先生。
夢視様じゃないです
…今日からは僕の朱
里になったんです』

白が、誇らしげな笑
顔を浮かべて言った


『『はい?!』』

ユウリとショウは同
時に素っ頓狂な声を
上げた。

…僕の朱里ですか?
クスクス、参りましたね
ユウリは笑いながら
白を研究室へと連れ
て行った。

そして、部屋に残さ
れた二人。

『朱里って、お前…


『もう一度、朱里と
して生きたいと思っ
たんだ、白と一緒に
…。』

『……そう、か……
朱里として…生きる
……か。』

ショウは感慨深げに
繰り返した。

『聖護、すまなかっ
た。お前はいつも私
の為を思ってくれて
いたのに…私は自分
の不幸しか見ていな
かった。そして酷い
言葉でお前を傷付け
てしまった。』

朱里はショウに心か
ら詫び頭を深く下げ
た。

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