《MUMEI》

『瀧…』

「ガルーダ、SCか?」

『おそらく…だが…』

「どうした?」

『力の片鱗は見せているのに…本体が全く見えない…初めてだ、こんな存在は』


ガルーダの言葉に瀧は眉をしかめる。


―得体が知れねぇな、どうする…監視か報告か―


ただ上に一旦報告すれば、彼女の人生は一変する。

もし《保持者》もしくはそれに類する存在だった場合、間違いなく彼女はイージスに強制的に連行されるだろう。


「ちくしょう!何だよ!」


苛立ち紛れに叫ぶ中野くんの声が、瀧を現実に引き戻す。


―とにかく先にやつを終わらせるか―


そう決めて瀧は動き出した。

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