《MUMEI》 「悪いな、しばらく寝て貰うぜ。」 瞬時に間合いを詰め、瀧は中野くんの首辺りに手刀を叩き込んだ。 「う、ぐぅ…」 白目になり、気を失った身体がグラリと傾いで倒れる。 ―ドサリッ― 「ふぃ〜、一旦終了かね。」 「終わった?終わった?怖かった〜!」 「お前マジでんな事思ってんのかよ……」 「思ってるわよー、ナイフだなんて! 中野くんどうなるの?」 心配そうに聞く綾乃に、 「今からSCにまつわる記憶を消す、それが終わったらこれまで通り、普通に暮らすんだよ。」 そう言って瀧は眠っている中野くんの額に手をかざす。 掌から一枚黄金の羽が落ち、すぅっと額に沈んで消えた。 前へ |次へ |
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