《MUMEI》

「いや、だから、記憶とか消すからマジ会えないんだぜ?」


絶句した後、やっと瀧は言葉を紡いだ。


「いーわよ?うち親いなくて、しかも駆け落ち後だから他の親戚いないし、友達も寂しいけど…。」


「けど?」


「中野くんみたいに変な事になって怪我させたくないし…、面白そうでしょうがないの♪」


瀧は頭を抱える。
そんな甘い世界じゃない、苦いし痛いし
汚れている、
途方にくれかけていると、

『瀧…調べる必要があるのは否めない、彼の力が何者のモノか、危険でないとは言いがたい…』


内からの声が響く。


「でもよ…」

『今のお前は昔のお前ではない、俺と対話し、力をつけた、傷つけたくなければ守ればいい。』

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