《MUMEI》

「ぅあっ!や、やめて下さい///」

こんな克哉さんの大きな腕に捕まえられると、細くて弱っちい僕なんかは逃げられなくなってしまう。

「ちょっと…ダメですっ///」

ソファーに押さえつけられながら、無理矢理克哉さんは僕の唇を奪ってきた。

「…んく…ん〜///」

いつもの、あの出かける前のキスとは違う。

身体を撫で回して舌を絡ませてくる、ベッドの中だけでする激しいキスの方。

「ん…〜ダメです…立てなくなっちゃ…ぅん///」

それに…。

さっきからトリスタンさんが僕らの事をジーッと見つめているのがチラチラ視線に入ってきて、僕は頭の中まで恥ずかしさで沸騰してしまいそうだった。

「っ…んハァ…んん///」

克哉さんは誰かに見られるのが好きな方らしいんだけど…。

僕はそんな事には慣れてなくて、見られているという恥ずかしさから頭がクラクラしてきた。

「…ん…ぅ///」

恥ずかしさで気を失いそうになる寸前で、やっと克哉さんが力を緩めてくれたので、僕は転げ落ちるように抜け出すと、そのままズリズリとソファーからずり落ちてしまっていた。

「はぁっ…はぁ…ん///」
「本当、可愛いわねぇ♪」

力が入らなくてソファーに寄りかかって惚けていた僕を見て、向こうに座っていたトリスタンさんが笑う。

(ぅ…バカにされてる///)

「そ、そんな事無いです!」

あわてて落ちた時に半分脱げたシャツを下ろすと、さっと立ち上がって乱れていた服をきちんと整えた。

「あぁ、可愛いだろう…」

(何だよ、僕はちゃんとしてたいのに…)

克哉さんはまた後ろから抱きしめてきてシャツの中に手を入れてきた。

「ぅぁ…離して///く、くるみちゃんのお迎えに行かなきゃ」

下にまで手を入れてきそうになった克哉さんの手を掴んで止めると、もうちょっかいを出されないようにソファーから離れた。

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