《MUMEI》

『フッ、そうか…朱
里となり生きるか』

陛下は夢視の変化に
驚いていた。

…あの生気無く、流
されるままだった夢
視が、本来の自分を
取り戻し、朱里とし
て生きたいと言い出
すとはな…。

『夢視、いや朱里。
そなたの望むままに
するが良い。そなた
には長く辛い思いを
させたからな、せめ
てもの詫びの代わり
だ…』

『陛下、それは』

『うむ、朱里として
この国を旅立つが良
い。勿論、白と共に
な。』

陛下は、二人を見て
言った。


『陛下、ありがとう
ございます。』

朱里は、陛下に深く
頭を下げた。

『良い、それで何時
旅立つ予定だ?』

『はい、明後日には
旅立つ事が出来るか
と…』

『そうか…気をつけ
てな、国外ではどん
な危険があるやも知
れぬからな。』

『大丈夫です、陛下
私には白がいますか
ら…彼が護ってくれ
ていますから…』

朱里が、そう言えば
白が力強く頷いた。

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