《MUMEI》
陛下とショウ
暫くして、突然陛下
が笑い出した。

『フッハハハ…何か
勘違いをしてないか
、ショウよ。』

笑う陛下に少し不機
嫌になったショウは
灰色の瞳で陛下を睨
む。

『勘違い?』

『そうだ!朱里に白
を与えたのは、ショ
ウ、お前の頼みだっ
たからだぞ、よもや
忘れておらぬよな?

それから、朱里を助
けたのも、お前を朱
里の管理者にしたの
も、お前が望んだか
ら叶えたのだぞ。』


『え?俺が望んだか
ら?何故?この国に
何のメリットもない
事を…』


『解らぬのか?』

『はい、全く。』

『ショウ、お前…
鈍いな。』

呆れた様子で呟いた
陛下。


『灰眼の牙狼、お前
は、そう呼ばれてい
たな。初めて剣を交
えた時、その強さと
意志を秘めた灰色の
瞳に惹かれた。』

『陛下?何を…』

『メリットはあった
のだ、お前を手に入
れる事が出来るとい
う…な。
私は初めから《夢視
の碧眼》等、どうで
も良かった。そんな
モノが無くても、我
が国は強いからな。
そうだろ?ショウよ
?』

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