《MUMEI》 ラボ「ヘ〜、すごーい。」 「お前ホントにわかったか?」 「だいたーい♪」 瀧が脱力すると同時にエレベーターが止まった。 「…着いたぜ、ここがラボだ。」 先を歩く瀧に綾乃も大人しく着いていく。 ラボにふさわしく、あちらこちらに太いパイプやらコードが見える。 少し歩いて奥の部屋の扉で瀧は止まった。 「博士、例の件だ、入るぜ。」 声に答えるように扉が開いた。 「あぁ、連れてきたか、待ちかねたぞ。」 そう言って博士と呼ばれた人物はニヤリと笑って振り向いた。 白衣にサンダル、そして短めの瀧より少し薄めの金髪、ただし前髪が全体的に目を覆っていてわかるのは鼻と口許のみ。 「さぁ色々聞かせてもらおう。」 怪しい笑みをたたえる博士に、 ―え〜、美形そうだけど胡散臭い〜― と、綾乃が思ったのも無理からぬ話だろう… 前へ |次へ |
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