《MUMEI》

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青年―――《川崎 宗一》先生は血の気が失せた顔つきで、やんわり微笑んだ。


「ちょっと、頭をぶつけてね。たいしたことじゃないよ」


先生の返事に、千影は訝しそうに眉をひそめる。


「でも、血が…」


「いつものことなんだ。気にしないで」


食い下がる千影をバッサリ切りすてる。千影はそれ以上なにも言えなくなったのか、口をつぐんだ。

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