《MUMEI》

『部屋へ帰ろう?』

朱里の言葉に白が頷
き、ヒョイと姫抱き
に抱え歩き出す。

『は、白!?自分で
歩けるから…』

…姫の様に抱き抱え
上げるのは勘弁して
…恥ずかしいから。

『さっきのキスで感
じ過ぎて、歩けない
くせに?』

腕の中でジタバタと
動く朱里に、意地悪
そうな顔で笑う白。

『なっ…白!』

耳たぶまで真っ赤に
した朱里が叫ぶ。

『朱里、可愛い』

姫抱きのまま、膨れ
っ面の恋人にキスを
落とす。

『白は、意外と意地
悪なんだね?』

諦めた様に大人しく
なり、キスを受け入
れる朱里。

そして、二人は部屋
へと辿り着く。


白はツカツカとベッ
トへ歩み寄り、ふわ
りと朱里を降ろす。

仰向けに寝かされた
朱里の身体に覆い被
さる様にして、朱里
の顔の横に両手を付
き、白が囁く。


『…朱里、朱里の全
てを…僕に頂戴?』

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