《MUMEI》
怖いのは…
俺の本気の蹴りをくらって、変態は吹っ飛んだ


「な、ナイス蹴り!

そして

ナイスケツ!」

「ケツ言うな、この変態」


人のケツ揉むんじゃねーよ


「この手は一生洗わないよ。ハアハアハアハアハアハア」

「洗えよ、普通に」

「え? せー君洗っていいの?」

「「何でそうなる!」」

「あれ? タイガー、いたんだ」

「お前知ってて無視しただろう!」


それに変態は、今日俺が虎之介先輩と出かけるのを知ってたはずだ


「だーって、そんな可愛い先輩と密着してるから、わかんなかったよ」

「か、可愛いだなんて…」


変態の言葉に照れながらも


竜野先輩は、虎之介先輩の腕にしがみついたままだった


「こ、これはだな。彼女が怖いって言ってきて…」


あー怖いよな、へ


「だって…急に、高橋君蹴ったり怒ったりするから」


…俺!?


変態より俺が怖いのか!?


何か


スッゲー、ショックなんですけど!

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