《MUMEI》
単独行動
「はい!」


竜野先輩は、嬉しそうに虎之介先輩の手を掴んだ


虎之介先輩は


何故か、びっくりしている


え? 何で?


「虎之介?」


竜野先輩も、俺と同じように、首を傾げた


けど、手は離さない


「…荷物、持とうと思ったんです」


虎之介先輩は、申し訳なさそうに、竜野先輩の手をはずし


竜野先輩が持っている大きめのバックを持った


「ご、ごめんなさい」

「いや」

「「…」」


二人の間に、気まずい空気が流れた


「とにかく、僕は、せー君とデートするから!」

「待ちなさい!」


ピシィ!


「やー、だー!」


変態は、女王様のムチを避けながら、こっちに向かってきた


「せーえーくーんー!」

「来るなぁ!」


本当はまた蹴りてーけど


さっきの竜野先輩の言動を思い出し


とりあえず、全力で、逃げる事にした


そして


気付いたら


変態も


誰も


周りにいなくなっていた


…必死だったからなー


とりあえず


街に、行ってみるか

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