《MUMEI》
単独行動5
「高等部、一年S組、高橋誠、です」


恐らく先輩だろうから、一応敬語にした


暁の体格は、薫に似ていたが


その顔付きも、雰囲気も、薫や、会長よりも遥かに大人びていた


これで、同い年なわけねーし


俺が自己紹介すると、暁以外の不良集団が反応した


すっかり有名人だな、俺


外部生ってそんなに珍しいんだな


暁は、ただ、静かに俺を見ていた


そして


「暁 拓也(たくや)だ」


と、名乗った


本人は、それしか言わなかったが


周りが


暁が三年D組で、全D組の


つまり、鳳凰学園で不良と呼ばれる存在のトップである事


学園側が用意した相手が気に入らず、殴った事


そのSPまで倒した事


を、教えてくれた


それ以外にも、D組は、既にいろいろ問題が起きているらしく


暁の付き添いという形で病院に来ていた不良集団と、暁以外は、寮から出してもらえない状態らしい


「だから、溜まっちゃってさー

まこちゃん、相手してくんない?」


不良集団の一人がそう言うと


暁以外の人間が、下品な笑い声を上げた

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