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《MUMEI》 『まずは防護盾。施した対霊撃コーティングがほとんど機能してない。 こんなの使わせようなんて、処理課に死んでこいって言ってるようなもんよ。連中の大半は人並みの霊力に、無いに等しい霊能力しか持ち合わせてないんだから。 既存に出回ってる道具に手を加えてコストカットを計りたいのは解らなくはないけど、それならコーティングの技術を高めるか、もっとコーティングに合った素材を使った防護盾を見付けてくる事ね。 それから棍。 霊的攻撃力を物理攻撃力へ変換する狙いは悪くないけど、その変換効率を高める事を優先するあまり、武器としての強度を犠牲にし過ぎてる帰来があるわね。あと、霊力の放出量を一定に保ってないと変換効率が不安定になるのも壊れる原因の一つみたい。 重量はＯＫよ！この重さをキープして。これ以上重くなると棍の方に振り回されかねないわ。 最後にこのボディスーツ……』 身体中から垂れる、無数のコードを全て引き抜き終わると、向こうとこっちを繋ぐドアに向かって近づいて来る。 かなりの重量があるのかドアはゆっくりと動いて、気圧差からなのか、生まれた隙間にこちらの空気が飲み込まれていった。 「とにかく暑い！蒸れる！ヌルヌルしてきて気持ち悪い！ こんなの直に着てたくないっ!! 性能重視も結構な事だけど、着る人間の事を毛程も考えてない！ 身体の線が浮き彫りになるセクハラデザインも気に入らないし、もう一度根本から設計し直しなさいっ！」 この人たちが盾と棍とスーツの担当者なんだろう。それぞれを女性にめった斬りにされて、かなり気分がナナメに落ちてしまっている。 前へ |
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