《MUMEI》
一番乗り
寮に帰ってきた俺を出迎えてくれたのは、門脇さん父子だった


「珍しいですね。二人が揃ってるなんて」


やっぱ、学園休みだからか?


「外出禁止されている不良が脱走しないように

週末は、二人体制なんです」

「それは、大変ですね」


暁みてーな、化物もいるし


…そういえば


「暁、先輩が暴れたりした事、あるんですか?」

「会ったんですか?」

「はい、偶然」

「ここではありませんでしたが、一度だけ、学園の校舎内でなら、ありますよ」

「あの時は、大変でした」


用務員でもある直人さんが、遠い目をした


よっぽど、大変だったんだな


「当時は今ほどSPもいませんでしたし

最終的に、止めたのは、確か

現生徒会長の八坂君と

書記の神澤君でした

二人共、当時は生徒会補佐でしたが」

「二人がかりで、…ですか?」

「二人がかりで、ボロボロになりながら、です」


あの二人が、ボロボロ…


「普段は、他の不良をまとめるいい子ですが

一応、気をつけて下さいね」

「…はい。ありがとうございます」

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