《MUMEI》

小さな式場で楠の友人席は俺達と三人程だった。
最初は指輪交換と賛美歌なんかを歌って、俺達はシャッター切るのに必死であとはあまり記憶に無い。

披露宴の会場に移動して、先程の静けさとは打って変わり、嫁の父親の道場の門下生がかなり席を取っていて男臭さが充満している。
嫁の友人席も男が多いような……。

円卓のテーブルでコース料理を食べるが、二郎の嫌いな筋張った肉だったのでさりげなく、食べた。
そのやり取りを見て、周りの三人の反応が妙に思ったみたいだが、朝から何も食べてないのでそいつらの残した付け合わせも貰った。



嫁は白い膝丈のウェディングドレスで旦那を抱きながら入って来て、式場を沸かせた。
兄貴という門下生の声援に応えるような嫁の雄々しさだ。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫