《MUMEI》 珍しく、一人深刻になった空気を壊したのは 「たっだいまー!」 元気な聖の声だった 「今日も森に行ってたのか?」 「よくわかったな!」 そりゃ 「それだけ葉っぱ付けてればな」 「ハハハ、そうだな!」 「今日も森は楽しかったか?」 「おぅ!誠もまた行こうぜ!」 「いや、それは、お前の相手の女子に悪いだろ」 どうせ、今日も一緒に行ったんだろうし 「アイツなら、今日は街に行ったぜ! 森、つーか、虫とか苦手みてーだし ついてきても、日陰でジッとしててつまんねーし やっぱ一人か 誠と二人がいーな!」 「そ、そうか」 嬉しいけど、複雑だな 「何なら今から行くか? 珍しく、誠一人だし。 夜の森もまたいーぞ!」 「悪いけど、今夜、つーか、これから出かけるから、また今度誘ってくれ」 「そっかー、わかった!」 こういうさっぱりしたところは、聖の長所だな さて、そろそろ部屋に帰って出かける準備するか 俺と聖は、エレベーターに向かって歩き始めた 前へ |次へ |
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