《MUMEI》
続々と
十二階へ行くエレベーターは、一番奥にある


「よーし、誠!競走だ!」

「走るな、聖」


危ねーだろ


誰かにぶつかったら、どうすんだ


走る聖に付き合わず、のんびり歩いていると


寮の入口が、騒がしい事に気付いた


…何だ?


振り向いた先には、集団がいて


「…修治?」


かろうじて、比較的身長が高い、修治が見えた


修治は、大量の紙袋を抱えていた


あ、目が合った


「誠?」

「え、高橋君?」

「誠!?」


修治の近くから、相楽と虎之介先輩の声がした


「おーい、誠!」


聖は既にエレベーターに入り、俺を呼んでいた


「そのまま待っててくれ、聖」


あの三人も、目的地一緒だし


「エレベーターで待ってる!」


集団に入るより、先に行って待ってた方がよさそうだし


エレベーターに入り、聖の隣に並んだ


それから


修治・相楽・虎之介先輩がエレベーターに乗った時点で、扉を閉めた


「ぼーくーもーのーせーてー!」


聞こえない


聞こえないぞ、変態の声は


大体、修治の荷物が、かさばるから、エレベーター、満員だし

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