《MUMEI》

『え、それは、どう
言う…』

『私達、フラワーは基本
植物ですから、本来
排泄器官はありませ
ん。白の後孔は、遺
伝子を受ける為の器
官だった訳です。

…で見事アナタの遺
伝子を受けた器官は
役目を終え、白がヒュ
ーマノイドフラワーとして進
化した時点で、消滅
したと言う訳です』


『…そうですか』

ユウリの説明に納得
する朱里。

『なので、これから
二人が愛し合う場合
…その、必然的に朱
里様が受け入れる側
になるのですが…大
丈夫ですか?』

この前、雄の本能を
取り戻したばかりの
朱里に、この話を聞
かせるのは酷な事だ
ろう…。

ユウリは、朱里の反
応が心配だった。


『ユウリ先生』

朱里が静かに話す。

『大丈夫ですよ、私
ならば。大切なのは
どちら側になるか?
と言う事じゃ無いん
です。
繋がる相手が白であ
ると言う事が一番大
切なんですから…』

そう言い切る朱里の
表情は、雲一つない
青空の様に澄んで凛
としていた。

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