《MUMEI》
金曜日夜3
神澤薫視点


弱い


遅い


弱い


弱い、弱い、弱い…


「つ、強えぇ…」


何で、こんなに弱いんだ?


お前等が強ければ


俺は、ダイヤをやめられるのに


そしたら


誠と一緒にいられるのに


『ダイヤは俺にとっても大事なチームなんだ』


俺にとっては大事じゃないんだよ、誠


『もしやめるなら、薫と同じかそれ以上のヤツを代わりにエースにしなきゃな』





バキッ!


「ぐっ!」

「何でこんなに弱いんだよ…」


これじゃ、誠と一緒にいられないじゃないか


他に、いないのか?


「エース、どこへ?」

「強いヤツ、探しに行く」

「ほどほどに、して下さいね」

「わかってる」


だって


ムカつくからって


殺したら


誠、きっと怒るし


優しいから


悲しむと思うんだ


だから


ちゃんと、とどめだけはささないよ


俺、偉いでしょ?

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