《MUMEI》
保健室
  
「あっ…は…ハーィ…ハワユーι」

 完全に見た目外国人な男子生徒、言うなれば”ハンサム”とか”イケメン”とか言うカンジ。

 そんな綺麗な子が怪我人を連れて保健室を尋ねてきたので、ガチガチ劣等感持ちの僕はその外見と威圧感に緊張してしまって、拙い英語で話してみたんだけど…。

「こんにちは」
「に、日本語喋れるんだね///」
「はい」

 彼は僕をあざ笑うように完全に流暢な日本語で返してきた。

「留学生なのにすごいなぁ〜」
「留学生じゃないです、半分日本人ですから」
「えっ///」

 窓際から差し込む日の光に照らされてキラキラと輝く金髪をなびかせて、碧い目でこっちを見ている彼は全然アジア人には見えなくて、僕はてっきり外国から来た外人さんだと思ってた。

 どうやら名前の書かれたノートを見てみると本当に彼は”克哉”と言うちゃんとした日本人の名前。

 …色々と理解出来なくなってきたので、軽傷な怪我人の治療がてら詳しく話を聞いてみると、パパがドイツとイタリアのハーフでママが日本人という事。

 その日本人ママのお父さんがココの学園の理事長で、海外に居る孫の顔を見せる為に一時的にこの学園に入っているんだと言っていた。

 僕はこの学園の養護教諭さんが産休という事で、代わりに最近赴任してきたばかりなので、まだここの学園や生徒の事を詳しくは分かっていなかった。


(半分だけ日本人で、理事長のお孫さんで、名前も克哉君…か…)

 身長はもうすでに僕より高くって、体格も逞しいけど…そう言われてみれば、ちょっとだけ顔が幼くて可愛らしいカンジがした。

 もちろん何もかも全部格好いいんだけど…。

 何だか、見る方向によって色が変わる…まるでキラキラした蝶の羽のような印象だった。

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