《MUMEI》
嫌々ながら、合流2
「こ、こんばんは」


バーの入口に一人だけ残ったジャックに挨拶する


何か言って下さい、お願いします


無言が一番キツイです


「コト、さん…」

「はい」


『コト』は、女装した俺の名前だ


実は、最初ヨーコさんが考えた偽名は『セイ』だったが


変態を思い出すから、やめてもらった


「なるほど…」


俺の格好を上から下まで見つめ


ジャックは、深く何度も頷いた


「あ、あの?」

「入る前に一つ、お願いがあります」

「は、はい」


何だろう


「ダイヤのメンバーの前では私の事はジャック、会長はキング、副会長はクイーン、神澤君はエースと呼んで下さいね」

「はい」


てゆーか


こっちに来た時から、切り替えて頭の中でもちゃんと呼んでたし


何故か


薫、以外は


…エースだけ、気をつけよう


「それでは、行きますよ」

「はい」


ジャックが扉をノックすると、内側から扉が開いた


視線が、俺達に集中する


「こちらが幹部のお気に入りのコトさんです」

「お、お邪魔致します」


地声より高めの声で、挨拶した

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