《MUMEI》

「本当だろうな?」


「無論だ。」


怪しむ瀧にベリアはサラリと答える。


「この部屋に入った時点で磁場やら何やら表面から取れるデーターは収集している、だが今は常人と大差ない。」


「つまり?」


「頭の悪いヤツだな、つまりは存在を完全に消せるほどの代物、そういうことだ。」


そこまで言うと、ベリアはニヤリと笑った。


「久々に手応えがあるのが来た…実に、実に楽しい。」


「やり過ぎ、とか無しだぜ…。」


「所長からの命令でなくとも慎重にはなるさ。さぁ、鬼が出るか邪が出るか、楽しみだな♪」


相変わらずのベリアのマッド具合に瀧は辟易した。


「まぁ今日は心配せずに貴様は上に帰れ、予定より早く真田が帰国したようだ。」

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