《MUMEI》
密会
「珍しいな。

ゆり…八希はともかく、
梧城さんまで来るなんて。

何かあったんすか?」


将貴は2人に向かい側のソファーに座るよう促すと、
不思議そうに口を開いた。


「実はな、また厄介な集団が出没したんだよ。」


「へぇ。

梧城さんが言うたぁ、相当実力のある奴なんですね。」


「いや、力はない。

ただ厄介なだけだ。」


「どういう意味ですか?」


将貴の片眉が吊り上がる。


「学生の集団なんだよ。」


「それって、大学生の集まり?」


ここで八希が口を挟むと、
梧城は大袈裟に溜め息をついた。


「いや、中学生から大学生までだ。

こちらの地域まで浸食し始めてな、
だいぶ困ってるんだ。」


「確かに厄介ね。

未成年には手は出しにくいもの。

将貴とは違ってね。」


八希は顔をしかめて頷いた後、
将貴にウインクした。


「それは褒め言葉として預かっておく。

と言うことはつまり…。」


「そうだ。

高校生であるお前に、
探索を願いたい。」

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