《MUMEI》 梧城の後立て「はぁ…参ったな。」 朝から将貴は元気がない。 「これで何度目だよ。 ったく。」 将貴はこれで8回目の転校なのだ。 「あー今年受験なのによー!!」 だが梧城さんの頼みとあれば、 引き受けない訳にはいかない。 仕方なく将貴は新しい制服に腕を通し、 登校していた。 ただし、バイクで。 愛用のバイクで登校したいところだが、 相手に傷でも入れられたのでは堪ったもんじゃない。 梧城さんから普通の、 50CCのバイクを買ってもらった。 それだけではない。 本当なら編入試験を受けなければならないのだが、 梧城さんの後立てで、 何せずに入ることが出来たのだ。 噂によると、莫大な金を使ったんだとか。 それと脅しもかけたんだそうだ。 流石梧城さんだなー。 将貴はそんなことをのんびりと思い浮かべながら、 バイクを走らせていた。 前へ |次へ |
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