《MUMEI》
由里香の差し金
校門へたどり着くと、
将貴はバイクから降りて駐輪場を探していた。


「まーさきー!」


見知った声を聞いて、
肩を震わせた。


「ゆり…八希?!

なんでこんなとこにいんだよ?」


「やーねー、2人の時は由里香って呼んでいいのに!」


「もうめんどくさいから全部由里香でいいか?」


「えー、でも将貴の頼みなら……。」


「で、お前は何の用で朝っぱらからここにいんだよ?」


「へ?

あ、そうだった。

これこれ!」


由里香が鼻歌交じりで取り出してきたものを見て、
将貴は顔を引きつらせた。


「おい、ま、まさか…。」


「そう!

これで登校よ。」


由里香は楽しそうに笑い、
将貴に近付く。


「ふっざけんな!

こんなダセーことできるか!」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫