《MUMEI》

…もう皆して、ヤリ
過ぎ、ヤリ過ぎって
連呼して…クスッ…

朱里の存在を忘れた
かの様に騒ぐ三人を
呆れつつ眺める朱里
の口元が自然に綻ん
で笑いが出る。


…この部屋が賑やか
になる日が来るなん
て。

数ヶ月前までは、地
獄の監獄の様に冷た
い部屋だったのに。

自ら命を絶つ事ばか
り考えていたあの頃
こうして笑える日が
来るなんて。


[生きていて良かっ
た]


今は、素直にそう思
える朱里がいた。


『あっ、朱里が…』

クスクスと掠れた声で笑
う朱里に気付いた白

『『ん?』』

ユウリとショウも朱
里を見る。


朱里を見た三人は、
その幸せそうな笑顔
に思わず見惚れた。


『…朱里様?』

あぁ、これが本来の
朱里様の笑顔なんで
すね?…ユウリはそ
う思った。


『…っ朱里、お前』

俺が望んだ朱里の笑
顔だ。良かった、朱
里…お前本当にもう
大丈夫なんだな。

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