《MUMEI》 真田 光雄瀧がロビーに着くのと同時くらいに、入り口のドアが開き、二人の人影が入ってきた。 「じゃあ私はここで、お疲れ様。 」 二十歳前後の深い藍色の髪の女性が青年に声をかけた。 CランクのSCスワローの《保持者》、アリーだ。 戦闘には不向きだが、音速の飛行速度をもつスワローで情報伝達や撹乱をすることが多い。 「ん、ありがと。」 あまり抑揚の無い声で返答する黒髪の青年の姿を確認して、瀧は手を振り、 「みっちゃん、みつ、みつ、光雄くーん♪」 満面の笑顔で駆け寄ろうと二歩程踏み出した所で、 ベチーンッ!! 「―痛っ〜」 持っていた紙袋を瀧の顔面にクリーンヒットさせた青年は不機嫌な声でいった。 「うざい、大声で、しかも本名言わないでくんない。」 前へ |次へ |
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