《MUMEI》

それを見て千影が眉をしかめるのと同時に、

―ガタンッ―


椅子を転がす勢いで瀧が立ち上がった。
見開いた目はデスクに置かれた一枚の黒い羽を凝視していた。


「…瀧、動揺するのはわかるけど今は座りなさい。」

千影に促され、半ば放心状態のまま瀧は腰掛ける。


「…ちなみに、こっちの写真、ビルの屋上の、黒い大鴉、こんなのの背中に乗るの、一人しかいないよ。」

「そうね…彼だと…考えるのが妥当ね。」


そうして、彼女は息をついた。

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