《MUMEI》

今でも思い出す―

血と炎で赤く染まり、
瓦礫だらけになった研究所
騒ぎの中、
別行動していた
ミツと交信が途絶え、
必死に探した。


やっと見つけたとき、

彼は血塗れで息も絶え絶えに地に伏していた。


その傍らには、
自分のよく知る男が
笑って立っていた。


全身を返り血に染めて―



「何で、何であんたが!!」


「さぁ、鳥籠におんの飽きたから、かもしれへんねぇ。」


ミツを抱き抱え、ただ目の前の男を見つめる。


「ほな、バイバーイ♪」


そう言って空から舞い降りてきた大鴉、レイヴンに乗り彼は去った。


―キンッ―


と耳慣れた音を残して…。

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