《MUMEI》
校長室
「そうなのかい?

そんなに硬くならなくて大丈夫だからね。」


「はい。」


なんとかごまかせた。


ホッと一息つく将貴。


部下たちは俺に対していつもこんな気持ちなんだろうか?


ふと考えてしまった。


「着きましたよ。」


掃除の行き届いた、綺麗な廊下を永遠と歩いた後、
突き当たりに木製の赤い扉が見えた。


上には『校長室』とかかれたネームプレートが掲げられている。


コンコン…


「校長先生、転入生がお見えになりました。」


「どうぞ。」


校長先生と思われる声を後に、
先生は静かに扉を開けた。


手で先を示し、
将貴に先へ行くよう促す。


「では私はこれで。」


頭を下げて、
元来た道へ戻って行ってしまった。


俺1人に行かせる気か?!


大層な学校だな、
そう不満を抱いたところで、
将貴はあることに気付いた。


なるほどな。


校長も中々頭切れてるじゃねぇか。

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