《MUMEI》

『聖護』
『ショウ様』

『お前達〜見送りも
させないつもりか?
全く…この薄情者が
…』

少し不機嫌にそう言
って笑った。

『聖護…』

『朱里、元気でな。
いつでも、何処に居
ても、俺はお前の幸
せを祈ってるからな
落ち着く場所が決ま
ったら便りを寄越せ
よ。
……白、朱里を頼ん
だぞ!』

灰色の瞳が、朱里と
白へと注がれる。

『はい!ショウ様、
僕の全身全霊をかけ
て朱里を護ります』

白が、力強い言葉で
返事をすれば、朱里
が照れて苦笑する。

『ふっ、最後まで見
せ付けてくれやがっ
て……』

悔し紛れに、白のお
でこを中指でデコピ
ンしてやる。

『あだっっ、痛いで
すよ、ショウ様。』

『当たり前だ、痛く
したんだからな!』

…俺の大切な宝物を
譲ったんだ、それ位
可愛いもんだろ?


『聖護、本当に色々
とありがとう。聖護
も元気でね、それと
ーー陛下と仲良くね
。』


『うっ…お、おう、
わかったよ朱里。』

朱里の口から陛下の
事が出て、吃るショ
ウ。

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