《MUMEI》

どうやらクリスマス会は親が参加する所としない所があるみたいなんだけど、くるみちゃんの通っている幼稚園では先生と子供達だけでやっていたようだった。

それから各家庭に帰って家族で静かにクリスマスを過ごすんだとか。

最初は何か作らなきゃいけないんだろうかとハラハラしてたけど、そこまで親に無理はさせないみたいだった。

親が参加する仮装パーティもあれば、今回みたいに全く参加しなくてもいい行事もあって、日本で聞いていたような面倒な事は無さそうだった。

もしかしたらこの預かってもらってる時に親が飾り付けやプレゼントの準備をする為に、この幼稚園のクリスマス会があるのかな?

という事はやっぱりこっちではクリスマスは家族みんな家で過ごすんだな、手作りのケーキとかを用意して…。

手作りといえば、くるみちゃんの持っていたあの手提げ…克哉さんのお父さんが作ったのかな?

手提げもそうだけど、ネームタグとか、たまにくるみちゃんのタンスから発見する手作りのような洋服とか、あのサンタの衣装が入った袋と縫い方とかがどことなく似ているようなカンジがした。




「ほら、くるみちゃん」
「うきゃ〜ッ♪」

木漏れ日の零れる、緑の芝生の中心に小さな噴水のある公園。

今は冬だから寒いのだけど、今日は天気も良かったので汗をかくマフラーを外させてくるみちゃんを思いっきり遊ばせていた。

「オー!シェーン♪(おーやったぁ!のような意味)」

ボールを投げると、くるみちゃんは小さな体を伸ばしてボールを取っていた。

たとえ取り損なって転がっていったとしても公園全体に柵があるので道路にボールが転がる事も無ければ、野良の犬猫が入ってきてトイレをしていく事も無い。

鳥は空から入ってきて粗相していくけどね。

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