《MUMEI》 将貴の仕事「そうですね…梧城さんから最近この地域で、 学生の集団が厄介事を起こしているのを御聞きになりましたか?」 「ああ、確か…中学生から大学生までいるんだろ?」 「いいえ、小学生もいるようです。」 「なに!?」 「その集団の名は“ワイルドチルドレン”。」 「悪い子供…まんまじゃねぇか。」 ネーミングセンスの無さに苦笑する将貴。 「それで、その関係者がこの学校にいると?」 「はい。」 稲目は深く頷く。 前屈みになり、 ゆっくりと口を開いた。 「私は頭(ヘッド)が居ると確信しています。」 「根拠は?」 「梧城さんの部下が我が校と似た制服を着た人物が、 指揮をとっているのを目撃したと報告がありました。」 「ほーう?」 将貴の口端が僅かに上がった。 「そこから先は行動出来ないから、 変わりに俺に探ってくれと?」 「さすが、その通りです。」 「おもしれぇ。 その仕事、引き受けた。」 前へ |次へ |
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