《MUMEI》
どさくさに紛れて
「最終的な判断を下すのは、校長と理事長です。

ですから、ここでは結論は出しませんが

私は、反対はしません」

「ありがとうございます!」


よっしゃ!


「仕方ないね。『美しいクイーンお願いします』って言ったら、僕も許してあげるよ」


…このパターン、前にもあったような


ま、いっか


「美しいクイーンお願いします」


これで済むなら、簡単だし


クイーンはナルシーだけど、綺麗だし


「…っ、し、仕方ないね」


言わせといて照れてる


「おい」

「ん?」

「『かっこいいキング様お願いします』って言え」

「かっこいいキング様お願いします」


これもヨユー


実際俺様だけど、キングはかっこいいし


「…仕方ねーな」


ニヤニヤしてて、気持ちワリーぞ、キング


「誠、誠」

「ん?」


お前もか? エース


お前もかっこいいとか言ってほしいのか?


「『愛してる、薫』って言って」

「… … それは、無理」


どさくさに紛れて何言わそうとしてるんだ


「俺、…嫌い?」


…その顔は、反則だ

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