《MUMEI》
ドライブデート?
「は?」

「キングとクイーンは寝てしまいましたし」


えっとージャック


クイーンは、今自分で気絶させただろ?


「どうかしました?」

「イエ、何でも」


笑顔が黒いぞ


「では、参りましょうか」

「ダメ」

「薫」


と、しまった


「戻ってきたのか、エース」

「元々覗いてただけですからね」


そ、そうなのか


セクハラキングや、ネガティブクイーンの相手してて、気付かなかった


「誠と二人きりになるの、俺」

「では、コトさんに決めていただきましょうか」


そして、ジャックは笑顔で質問した


「ここで、キングとクイーンといるのと

エースと、街中を徒歩で巡回するのと

私と街の郊外を車で巡回するの

どれが、いいですか?」


そんなの


この、動きにくい格好と、歩きにくい靴を考えたら


さっきのキングとクイーンを見ていたら


答えは、一つしかなかった


こうして、俺は


真っ赤なリムジンの助手席に、乗り込んだ

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