《MUMEI》 職員室「それにしても…。」 「ん?」 話が終わり、 服装を正して校長室から出て行こうとする将貴に、 稲目は疑問を抱いていた。 「貴方は本当に梧城さんの息子さんなのですか?」 「何故そう思う?」 「何と言うか…雰囲気が梧城さんと違う気がするんです。」 「嘘では無いが、確かに俺はもう一つの顔がある。 まあ、勘のいいあんたなら直ぐに気がつくだろ。」 「そうですか…。」 「いずれ分かるさ。 それじゃ、失礼するぜ。」 アイツ、相当な実力者だな。 校長室を後にし、 職員室へ足を向けた将貴は思った。 梧城さんも惜しいことしたよな。 アイツなら俺が「黒龍」の頭だとバレるのもそう時間はかからないな。 職員室へ到着すると、 扉の前で1人の中年女性がそわそわした様子で立っていた。 将貴の姿を確認するなり、 大股で向かってくる。 開口一番、凄い剣幕で捲し立てた。 前へ |次へ |
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