《MUMEI》 VーC組将貴の教室はVーC組だった。 職員室へ直結に繋がる階段を1階上がり、 右へ曲がってVーA、B、Cの順にある。 全部でVーAからEまであるのだが、 この2階にあるのはA、B、Cだけで、 残りのD、Eは同じ階だが違う党にあるらしい。 これも田中が途中で話してくれた。 間に私情も挟まれていたが、 将貴は綺麗に流した。 VーCの前まで来ると、 「そこで待ってって。」 と、田中は将貴を引き止め、 自分だけ教室へ入って行った。 教室は窓もドアも全て締め切っていて中は見えなかったが、 大体の想像はついた。 田中の何やら話す言葉に一々過剰な反応をする辺り、 俺の話をしているんだろう。 今まで幾度となくこういった場面に出くわした将貴。 普通なら緊張するはずだが、 経験もあり肝っ玉の座った将貴にはそんな様子は無かった。 「入って来なさい。」 田中の言葉に、 ゆっくりと教室の扉を開いた。 前へ |次へ |
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